後援

伝説/民俗

オオオニバス

写真・Dario Sanches
 インディオのある部族にナイアという女がいた。彼女は、月が綺麗な女を選び、その女の姿を星に変えると信じて止まなかった。ナイアは毎日夜になると月に自分のことを見てもらおうと努力した。が、いつになっても月に選ばれることはなかった。悲しみに耽った彼女はそれから不眠症に陥ってしまった。そして毎晩のように夜中に湖の近くを歩き、どうにかして月に自分の姿を確認してもらおうと奮闘した。
 
 そんなある日、ナイアは湖に映った月を見て、月がついに自分を迎えに来たのだと勘違いし、湖の中に飛び、溺れ死んでしまった。このことを知った月はナイアに同情し、彼女を星に変えることにした。ただし、空に浮かぶ星ではなく、オオオニバスという湖に浮かぶ美しい星のような花に彼女を変えることにしたという。
 
 不思議とオオオニバスは夜にしか花びらを開かないという習性を持ち、それはまさにナイアの分身であるという証拠でもある。